映画感想ブログ シアターじぶんち

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『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで(2008)』感想 登場人物がクソすぎて笑っちゃう! けど、自分の中にもコイツらはいる…。

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで (字幕版)

 

恋愛映画みたいなタイトル付けられてるけど、ホラーだよ!

笑っちゃうほど酷い、悲しいホラー。

見るタイミングによって受け取り方が変わる映画だと思う。

10年ごとぐらいに見直したい。自身を鑑みるためにも。

 

監督はアメリカン・ビューティや007/スカイフォールのサム・メンデス。

主役の夫婦を演じるのは、タイタニックコンビのレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレット。

ケイト・ウィンスレットは、この作品でゴールデングローブ主演女優賞を取っております。

 

 

あらすじ 

舞台は1950年代のアメリカ・コネチカット州。

セールスマンとして働くフランクと女優志望のエイプリル夫妻は、かつて描いた理想とは違う、どこか退屈な日々を送っていた。

2人の子供にも恵まれ、生活に困ってもいないが、何か不満が募る。

フランクの30歳の誕生日、エイプリルはかつての夢だったパリでの生活を提案する。

 

感想

 

現実版タイタニック

この夫婦役を見ると、やっぱりタイタニックを思い出さずにはいられないわけで。

悪意のあるキャスティングというか何というか、全編通して人が悪い!

それでいて、この作品に見事に合ったキャスティング。

演技合戦が本当に凄い。どっちも好感が持てないぞ!

 

 

マイケル・シャノン

今作でアカデミー助演男優賞ノミネート。

彼が演じるジョンという、少し変わった男が良い。

物凄く不安定な感じが良く出ていて、いるだけでどこか緊迫感が生まれる。

ギリギリの所で隠している秘密を見透かされる様な不安な感覚。

 

誰もが眉を顰める2人の計画を、彼だけは認める。

社会からはみ出したもの、常識から逸脱したもの。

本当の事を言ってしまえるのはそんな人間なのかもしれない。

 

 

カセの付け方

主人公たちの旅立ちを邪魔するカセ。

本作ではこのカセが、社会的、一般的には「良い物」であることが面白い。

 

 

閉じ込められた女性の叫び

ケイト・ウィンスレット演じるエイプリル。

彼女が抱え込んでいる不満が今作の重要なテーマの1つだろう。

映画序盤の喧嘩でも自身が「ぬるま湯漬け」にされていると不満を言う。

 

彼女はパリに行って、仕事をしたがっている。

彼女の欲求は自分の人生を生きる事。

夫の妻、子供の母としてではなく、1人の人間としての人生を掴むために。

彼女にとっては家庭がもう、牢獄のようなものになってしまっている。

 

舞台は1950年代。女性の社会進出が認められていない時代。

彼女の叫びは、常識が求める役割を押し付けられた女性達の悲鳴のようでもある。

現代においても彼女と同じ不満を抱いている人は多いだろう。

外からは無責任に「うまく折り合いをつけていけば良い」と言われてしまうけど、それが難しい。

 

結局、欲求の行き場をなくした彼女は、自分を傷つけていく。

 

 

小さい男

フランクは、男であることにこだわる。

彼にはやりたい事も特になく、日々を過ごすことに満足している。

生活に多少の退屈はしているが、本質的に不満はなく、現実的で安定志向。

つまらない男と言われてしまう様な人間。

 

序盤の喧嘩のシーンで「どんなにムリしても言えないわよね。自分は男だって。」と妻に挑発されるが、その後の彼の行動は、男である事を証明するためだけに動いているかのよう。

浮気をしてみたり、冒険的な男らしさのためにパリへの移住に乗ったり、キッチンで急に行為に及んだり、その男らしさはどこか空虚だ。

 

自分の事ばかり考えている彼は、妻の変化に気付かない。

最後の悲劇に至るまで。

 

 

まとめ

お互いがちょっとずつ無理をして、その歪みが大きくなって崩壊へと向かう。

いつの時代、どの場所にも存在しうる問題。

 

少しずつ不満と欲求を開放しながら、上手くやっていくことはできないものか。

その解決のカギの1つはラストシーンの老夫婦が握っているのかもしれない。

 

 

こんなことにならない様、反面教師にして生きたい…。