映画感想ブログ シアターじぶんち

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『アリスのままで(2014)』感想 明日は我が身として…。

アリスのままで(字幕版)

迫真の演技。

自分の身に起こったら…と思うと、本当に怖い。

 

 

あらすじ

主人公のアリスは、著名な言語学者。

夫との仲も良く、3人の子供も成人しており、順風満帆な日々を送っていた。

そんな彼女にある日、ランニング中に道に迷ったり、言葉を思い出せなくなったり、物忘れをしたりと異変が起こる。

医師の診断を受けた彼女は、自身が若年性アルツハイマー病である事を告げられる。

 

 感想

 

第87回アカデミー主演女優賞

主演のジュリアン・ムーアはこの作品で第87回アカデミー主演女優賞を受賞している。

映画序盤と、終盤の彼女の違い。

本人のままなのだけれど、別人の様にも感じられる。

作品のテーマとも一致した微細な表現を見事に演じている。

彼女の悩みや苦しみ、それすらも忘れていってしまう恐怖。

胸が締め付けられる思いだ。

 

 

脳細胞が壊れていく恐怖

主人公は言語学者。

正に記憶と頭脳で勝負してきた人間だ。

そんな彼女が記憶を失っていく過程が本当に恐ろしい。

全てを失っていく様な重さ。人生が無くなっていく様な。

定期的に挿入される自分の記憶を確かめるシーンが、見ていて辛い。

自分が喧嘩した事は覚えていても、なぜ喧嘩したのかは覚えていないとか、

本人は昨日の事だと思っているけど、実はそれよりも前の出来事であるとか、症状の描写がズシンとくる。

子供を抱くシーンなんか、悪気はないけどやっぱりゾッとしてしまう。

 

家族と愛

本人も辛いけれど、家族もまた辛い。

誰が悪いわけでもないし、どうしたら良いかも分からない。

娘と少しギクシャクした関係でもあるんだけど、失う事で分かり合う事もあって。

どうしようもない事に憤ったり、許したり。

彼女が彼女の人生を生きるために力を貸す家族の姿に愛を感じる。

 

衝撃的なビデオレター

症状が深刻になる前に、彼女は将来の自分に向けたメッセージを残すのだが、その内容が辛すぎる。

そして、そのビデオを受け取った彼女の行動もまた…。

 

重い話ではあるが…

どの立場かは分からないけれど、この作品の登場人物に起きたことは、いつか自分の身に起こる事かもしれない。
その覚悟を持つためにも、一度見ておくことをお勧めする。

映画は人生の予行演習。

 

 

アリスのままで

アリスのままで