映画感想ブログ シアターじぶんち

映画をメインに映像作品や音楽の感想を書くブログです。

『くもりときどきミートボール(2009)』感想 ただただ楽しい!アイデア満載の映像の快楽と溢れるユーモア!

くもりときどきミートボール(字幕版)

タイトルでB級と侮るなかれ。クレイジーな発想と映像、ユーモア満載の笑えるコメディの中に、力強いメッセージを秘めた傑作3DCGアニメーション。

監督コンビは後にこんな傑作も作っております。

作品情報

監督/脚本はご存知フィル・ロード&クリストファー・ミラー。

LEGOムービーや21ジャンプストリートの監督であり、今やスパイダーマン: スパイダーバースの制作者として映画界最重要人物となったお二人。

今作が長編映画デビュー作です。

原作はジュディ・バレットとロン・バレットによる、同名の絵本。

主人公スコットの声を演じるのはビル・ヘイダー。

ヒロインのサムはアンナ・ファリスが演じている。

 

あらすじ

発明家になる事を夢見る主人公フリントは、いつも役に立たない発明をして失敗ばかり。

ある日、水を食べ物に変えるマシンを発明するが、それをきっかけに街中を巻き込んだ大騒動へ発展していく。

 

感想

降り注ぐ食べ物の映像の面白さ!

どこまでも独創的な映像センス。

フリントの発明とその暴走によって、空から食べ物が降ってくるようになると言うのが物語の肝なんだけど、この子供じみた発想を映像にするとこんなに面白くなるのか!

登場人物は楽しそうだけど、傍から見てるとクレイジーだぞ!

空からべちょんべちょん落ちてくるハンバーガーやステーキ。

嬉しいやら汚いやら複雑な感情で、落ちてくるたびに妙な笑いが込み上げてくるぞ。

あとやっぱ、アイスクリームの雪ってのはちょっと憧れる…。

 

ハイテンポなギャグの面白さ

ほんっとーにくだらないスラップスティックなギャグの数々が素晴らしい。

アイス雪合戦のシークエンスとかめちゃくちゃ面白い。

フリントに雪玉ぶつけられた子供の顔とか、面白すぎて大好きなので是非見ていただきたい

ラストの見せ場でもギャグがどんどんぶち込まれて、ゲラゲラとドキドキで脳がパンクしちゃうよ!

  

愛すべきキャクター達

主人公のフリントはどうしようもないボンクラだ。

いわゆる"普通"の人々から外れ、どこかズレている。

自身が発明した靴変わりになるスプレーの一件で描かれる通り、周りからはバカにされ、爪弾きにされ、自分の発明や大好きな化学が、文字通り足枷となってしまっている。

ヒロインのサムも、隠しているけど本当は科学に夢中なナードという、 "普通"とは違った部分を持っている。

周りの目を気にして、からかわれないように、なるべく"普通"であろうとしているが、そこで自分を殺してしまってはいないか?

周りの目を気にしてメガネをかけない彼女の視界はボヤけている。

ライバルキャラクターであるブレントは、赤ちゃんの頃の写真が広告に使われた事で、町では有名人だ。

しかし、彼の拠り所はそれだけで、周囲からはチヤホヤされているが実際は空っぽである。

人気が無くなった途端、彼は無価値かの様に放り出される。

周囲からの評価がアイデンティティだった彼は、自分を見失ってしまう。

そのどこか歪で魅力的な人物たちが、騒動の中で自分と向き合い、自分を見つけ、受け入れる話となっている。

物語後半、フリントが無駄だジャンクだと思っていた過去の発明が、全て生きてくる。

無駄かどうかはその時にならないと分からないのだ。

映画冒頭でフリントは観客に「自分は変わり者だって感じたことある?」と問うが、ノーと答える人は少ないだろう。

これは普通とは違う、全ての人間への応援歌なのだ。

 

 

感想

食べ物の扱い方に品が無さすぎて嫌悪感を覚える人もいるとは思いますが、アニメなんだし良いじゃない!

「アニメだからこそ、教育的によろしくないのは如何なものか」ってのもあるかも知れないけど、住民の欲望が肥大化していくにつれて、食べ物も巨大になっていき、命の危機にまで晒されるって展開とか教育的で寓話的じゃない?

フリントは自分が起こした騒動を、責任もって自分で解決するし、意外とちゃんとしてるかもよ!

 

とにかく見ていて楽しいって事に尽きる。

見てる間も見終わった後も、何か妙な多幸感に包まれる名作でした。

死ぬほどバカバカしくて最高な監督作2作目。

 ソフト化が待ちきれないヤツ。アニメーションに革命をもたらした大傑作。