映画感想ブログ シアターじぶんち

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『ドクター・ストレンジ(2016)』感想 MCU第14弾。圧倒的な映像表現の面白さ!オカルト世界のアブナイ魅力。

ドクター・ストレンジ (字幕版)

MCU第14作目。

今度のヒーローは、なんと魔法使いだ。

MCUに颯爽と現れた、合法的トリップアドバイザーDr.ストレンジ。

彼が導く、万華鏡の中に飛び込んだような、めくるめく映像世界にウットリしよう。

しかし、いつまで経ってもドーマムゥがドルマムゥって表記されるのはしっくり来ないぞ!

音的にも字面的にもドーマムゥの方がカッコいいだろ!

つーか皆の発音も、ドーマムゥの方が近いじゃん!

↓これの影響を多分に受けているので、見てない人は見てみると面白いぞ。

ぐにゃりと曲がる街の表現もさることながら、腕を回して魔術を使うのもダークシティからの引用じゃなかろうか。

アレ、めっちゃカッコいいんすよ!

さぁ、それじゃあ良い子のみんな!

出来るだけ大画面で、部屋を暗くして、近くで見てね!

作品情報

監督はスコット・デリクソン。

勉強不足故、正直彼の作品をあんまり知らない。

ですが、この難しい作品をまとめ上げた手腕はお見事!

脚本はスコット・デリクソン、ジョン・スペイツ、C・ロバート・カージルの3人。

主演は皆大好きベネディクト・カンバーバッチ。

彼に出演してもらうために、わざわざスケジュールをずらしたそうな。

確かにストレンジを演じるなら彼以外考えられない、それほどまでにハマり役。

本編中に他作品のヒーローが出てこない作品なので、初見でも見やすい。

スタン・リーは1:18:16頃。バスの中で、神秘主義の作家オルダス・ハクスリーの「知覚の扉」を読んでいます。

ポストクレジットはソー。

あらすじ

優秀な医師であるスティーヴン・ストレンジは、事故で両手の神経を損傷。医師としての生命を絶たれてしまう。

実験的な手術を試みたり、あらゆる手段で両手を回復させようとするが、悉く失敗に終わる。

リハビリ中のある日、下半身不随になった男がある施設で回復したという話を聞く。

藁にも縋る思いで、その噂をたどり、ネパールへ向かった彼は、そこで魔術師に弟子入りすることになる。

感想

映像表現の面白さ

歪む街、曲がる街、停止する人、巻き戻り。

描き出される映像の全てが面白い!

エッシャーのだまし絵を見ているような面白さ。

ダークシティやインセプションを踏まえながら、それをしっかりと一段先へ進めているぞ。

特にストレンジが初めてエンシェント・ワンに魔術の世界を体感させられるシーンのトリップ映像はすさまじい。

神秘性と薄気味悪さの絶妙なバランス。

指から手が生えてくる描写は、寄生獣でミギーが初登場シーンで「みぎて…失敗…。」って言ってるコマを思い出して興奮したぞ。

セットアップの上手さ

一歩間違えれば『ソー』と同様に、飲み込みづらく、どうでも良くなってしまいそうな魔術世界。

そこに観客を連れていくための前段階が非常に上手い。

初めから別世界の話であるソーとは違って、今作は我々の世界の優秀な医師であり、高慢で自身過剰なストレンジが全てを無くし、どん底へ。

藁にも縋る思いで未知の世界へと入り込んでいく。

最初の物質主義的で懐疑的なストレンジと観客との感覚に大きな差異が無く、彼に感情移入する事で、自然と神秘の世界を飲み込めてしまう。

というわけで、ストレンジに感情移入できるか、彼を好きになれるか、という点が重要になってくるわけだけど、これに成功していると思う。

 

まず、彼が医師である事。

初めから、人を救うために自分の力と人生を使うという選択をしている。

そして、事故によって、その優秀さゆえの高慢さをへし折られる。

両手を失った事で、今までの人生もアイデンティティも、全てを失ってしまうストレンジ。

稼いだ金も、先の見えない治療費に消えていく。

荒れるストレンジは、自分を大切に思ってくれる人まで傷つけてしまう。

やり場のない怒りと苦悩を抱え込んだ姿が痛ましい。

リハビリなのか、震える字で紙に書かれた「スティーブン・ストレンジ」という名前が、まるで、消えゆく自分という存在を必死に繋ぎ留めようとしているようで、涙を誘う。

ボロボロに落ちていく彼を見ていると、何とか救われてほしいと思うのが人情じゃない?

 

それから、時計の演出。

あれほど持っていた時計のコレクションも売り払い、ネパールに行く時に持っているのは1つだけだ。

唯一手放せなかった物はクリスティーンから貰った時計だけ。

なんてエモくて人間臭いヤツなんだ!

これから別の世界へと入り込むぞという時に、それが壊れてしまうというのも良い。

今までの価値観がぶち壊れますよという事でもあるし、もう戻れないところに行きますよと示唆するようでもある。

また、エンシェント・ワンが呪文をプログラムって言ったり、未知の世界を既知の科学に置き換えて、分かりやすくしようという気遣いもありがたい。

魔術世界をSF的に解釈するのは、それ自体もワクワクするしね。

 

あと、ストレンジの最大の魅力は、何と言ってもカンバーバッチ力ですよ。

カンバーバッチの事嫌いになれるわけないだろ!

事故にあった後、手術明けでベッドで目が覚めるシーン。

ボルトが埋め込まれた両手の、画としての痛々しいインパクトもさることながら、あのカンバーバッチの悲愴な姿を見たら、どうでもいいなんて思えないよ。

シリアスな中のユーモア

ストレンジのキャラクター付けとして重要な、柔軟さ。

それを表す様に、劇中にユーモアが散りばめられている。

爆笑のコメディと言うよりは、ちょっとズラしたユーモアって感じ。

wifiパスワードのくだりとかアストラル体手術のシーンとか超面白い。

浮遊マントが超かわいい

ストレンジの相棒浮遊マント。

こいつ超かわいいんですよ!

最初の、落ちていくストレンジを助けるためにシャー!って飛んでいくシーンも可愛い。

その次のショットで、マント装着して上がってくるストレンジはめちゃくちゃカッコいいし、その後始まるストレンジとのドタバタコントは2人とも超キュート。

後半でストレンジがあるお別れの後、一筋の涙を流すシーンがあって、これも抑制が効いていて良い演出なんだけど、その後マントがストレンジの涙の痕を拭おうとするんですよ!

スーパー可愛い。マジ可愛い。

感情が見え隠れする無機物って、なんでこんなに魅力的なんでしょうか。

単純な力比べで終わらない

より大きな力を持っている方が勝つという、単純な決着のさせ方をしないのが素晴らしい。
そういうのは、いい加減もういいのだ。

僕らは強大な力なんて持ってないわけで、そういう勝ち方を見ても何も得られないのだ。

頭を使って手持ちのカードから策を練って勝つ大人な着地。

その策が泥臭いのがまた良いのだ。

できれば誰も殺したくないという、ストレンジのキャラクターがブレない策なのもとても良い。

まとめ

MCUの中でも特に好き嫌い別れる作品じゃないだろうか。

僕はかなり好きです。

科学と神秘とオカルトの融合した感じに、ちょっと女神転生の香りがするのが好み。

一見イロモノっぽいのに、ユーモアを大切にして、1つの価値観に凝り固まらない柔軟さを持ち、悪人とは言え殺すことを嫌い、自分の痛みを顧みずに人々を救うために力を使う超正統派ヒーローなところが大好き。

人を殺したことに良心の呵責を抱くヒーローが今までいただろうか?

人間社会から一番遠い所にいるストレンジが、一番人間らしいよ。

残念なところがあるとしたら、ドーマムゥのデザイン。

デカすぎて顔しか見えないのが本当にガッカリで、全身最高にカッコいいデザインなのに勿体ない。
頭の燃え方もいまいちだし。

 

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 次は、『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーvol.2』です。

えぇ、『vol.2』です!

ストレンジ好きには、絶対に見てほしい作品。

ダークシティ (字幕版)

ダークシティ (字幕版)

 

 こっちも面白いよ。

インセプション (字幕版)

インセプション (字幕版)