映画感想ブログ シアターじぶんち

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『アイアンマン3(2013)』感想 MCU第7弾 人間トニー・スタークが丁寧に描かれる。アイアンマン3部作完結編、異色の傑作!

アイアンマン3 (字幕版)

MCUの第7作目。

アベンジャーズで一区切りついて、ここからフェイズ2。

とは言え、結構続き物感が強いので、ここから見るくらいなら前作も見ておきたい所。

そして、アイアンマンシリーズ3部作の完結篇にして、個人的には最高傑作。

今までよりコメディ要素が減って、グッとシリアス寄りになっていて、どこかバットマン映画っぽい感じ。先祖帰りか。

ダークナイトとかバットマン リターンズが好きな人は楽しめると思う。

それよりは前向きで明るく、笑えるシーンも所々に用意されてるので、間口は広くもある。

と思うが、アイアンマンとしては余りにも前2作と毛色が違うので、好き嫌いは分かれるらしい…。

MCUの土台を作り上げた大傑作の1作目感想

あんまり上手くいってない2作目の感想

作品情報

監督はシェーン・ブラック。

リーサル・ウェポンの脚本等で有名だけど、監督としては今作が2作目。

脚本はドリュー・ピアースと監督のシェーン・ブラック。

ドリュー・ピアースって、大抜擢されてこんな傑作残したのに、この後あんまりパッとしないね。

この作品はシェーン・ブラックの色が濃い感じなのかな。

あらすじ

NYでのアベンジャーズとチタウリの激闘の後、アイアンマンことトニー・スタークは不眠症やパニック障害を患い悩まされ、不安感から、アイアンマンスーツを手放せない依存症のようになっていた。

その頃アメリカ国内では、マンダリンと言うテロリストが組織した「テン・リングス」による自爆テロが激化。

事件に巻き込まれ、友人のハッピーが重傷を負ってしまう。

マンダリンに宣戦布告し、自宅の住所まで明かしてしまったトニーは、襲撃を受け全てを失ってしまうが…。

感想

トニー・スタークは何故ヒーローなのか

本作の重要なテーマは、トニーのアイデンティティの問題だ。

アベンジャーズでキャプテン・アメリカにも言われていた。

「アイアンマン・スーツを着ていなければただの人。」

それに対する回答がこの映画だ。

トニー・スタークは何故ヒーローなのか。

アイアンマン・スーツを持っているからか?大金持ちであるからか?

いや、そうではない。

彼は、自分の力で自分の道を切り開くからヒーローなのだ。

全てを失い、暗く寒い雪の町を彷徨い、トニーは自分の本来の姿を思い出す。

ここで、きっかけをくれるサイドキック的な少年がまた、良いキャラなのだ…。

単純な良い子じゃないのが素晴らしい。

過去の、子供時代のトニーが対話し、大人トニーの目を覚まさせているようにも見える。

彼の事は是非覚えておきましょう。

アイアンマンスーツの扱い方 

眠れぬ夜に苛まれ、それから逃げるかのようにスーツ作りに依存していく。

そのため恋人であるペッパー・ポッツとの間に亀裂が生まれていく。

悪夢を見たトニーが無意識にアイアンマンスーツを呼んでしまい、ポッツを怯えさせるシーンが恐ろしい。

トニーのオルターエゴであるアイアンマンが、彼の事を守ると同時に、大切な物を傷つける原因になるかもしれない。

今後の展開を予感させる見事な前フリにもなっている。

クライマックスでは大量のアイアンマンスーツが登場するが、そのスーツの数がトニーの悩みの深さと比例しているようだ。

深い苦しみと悩みから逃避するために行っていた行動が、最後の窮地を脱する鍵となる。

これは、トニーを演じるロバート・ダウニー・ジュニアが、薬物とアルコール中毒というどん底に落ち込みながらも、それゆえに、その経験があるからこそハマり役となるトニー・スタークと言う役に出会い、ヒーローとして見事復活を遂げた、その姿とも重なる。

人間落ちている時だって無駄ではないのだ。

生かすも殺すも自分次第で変えられる。

そのトニーの苦悩の結晶のようなスーツ達が、最後に昇華されていく姿の美しい事…。

山下清の言葉「みんなが爆弾なんかつくらないできれいな花火ばかりをつくっていたらきっと戦争なんか起きなかったんだな」というのを思い出したりもしました。

あとやっぱり、装着シーンがカッコいい。

後のシリーズでも、残してほしかったなぁ。

今作では、トニー以外にも装着できるという事が、フックの1つになっている。

アイアンマンの鋼鉄の鎧は身を守る防具にもなるし、場合によっては拘束具にもなり得る。

そして、それはまさに、トニーとスーツの関係性でもあるのだ。

ラストバトルでの使い方は本当に見事。

マンダリンというヴィラン

映画はトニーが「人は自ら悪魔を作る」と言う著名人の言葉を引用するところから始まる。

本作のヴィランであるマンダリンはまさしく、過去のトニーが生み出した悪魔だ。

トニーが残したメモをヒントに、トニーが傷つけてしまった男が怪物となった姿。

過去のトニーの傲慢さが生んだ悪魔、その姿は兵器を作り続け、反省をする事の無かったトニーのifの姿にも見える。

彼は、過去の自分と、自身の陰の部分と向き合い、それを乗り越えなければならない。

トニーの成長譚として、本当に良くできていると思う。

最終的に何がトニーの陰の部分をやっつけるのか、その着地点もとても良い。

丁寧なキャラクターの描き込み、スパイ映画テイストのアクションの面白さとアイデアの豊富さ、飽きさせる事の無い脚本のツイスト、現代社会との接点を持った深いテーマ性、象徴的で美しい演出の数々。

アイアンマンらしい軽妙さは影をひそめているが、1本の映画として、良くできていると思う。

個人的には超好きな作品。

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 次は、難関だ。