映画感想ブログ シアターじぶんち

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『裏窓(1954)』感想 サスペンスとは何か、その答えがここにある。

裏窓 (字幕版)

サスペンス映画の帝王、アルフレッド・ヒッチコック中期の傑作。

原作はウィリアム・アイリッシュによる同名小説。

脚本はジョン・マイケル・ヘイズ。

 

主演はジェームズ・ステュアート。

ヒッチコックの他作品としては「知りすぎていた男 (字幕版)」や「めまい (字幕版)」等にも出演。

ヒロインは「ダイヤルMを廻せ! (字幕版)」に続き、後にモナコ公国の公妃となるグレース・ケリー。

 

 

あらすじ

主人公のジェフはカメラマンを生業としているが、撮影中の事故で脚を骨折し、アパートで療養生活をしている。

自由に動くことの出来ない彼は、裏窓から隣のアパートの生活を覗き見る事で退屈を紛らわせていた。

ある日、向かいのアパートのセールスマンが病気の妻と口論する姿を目撃する。

その翌日から、セールスマンの妻は姿を見せなくなった。

不審に思ったジェフは、恋人のリザと共に調査を始める…。

 

感想

シチュエーション設定の巧みさ

主人公のジェフが、怪我のためアパートから出られないという設定の妙!

なんと、部屋の中からカメラが出ない。

ジェフと観客の視点は一体化して、共犯関係を結ぶ。

裏窓から何が見えても手を出すことが出来ない、見ている事しか出来ない、というもどかしさが、全体にジリジリとした緊張感を与えている。

 

グレース・ケリー演じるリザの美しさ

見た目の美しさもさることながら、ちょっとした振る舞いも可愛らしい。

自分がカメラマンの妻として、危険な事も出来るのだと証明するかのように行動する大胆さ。

ヒッチコックヒロインのご多分に漏れず、男性に都合が良すぎるとも思うが、やっぱり魅力的。

 

恋愛物語

サスペンスのあまりの出来の良さに目を奪われるが、これはジェフとリザ、2人の恋の物語でもある。

彼は結婚に怯えリザと距離を置こうとしているわけだが、

ジェフが覗き見たセールスマンの夫婦は、彼が想像する未来を映しているのかもしれない。

彼が抱く結婚生活というものに対する恐怖を具現化したような存在。

ジェフとリザは、冒険を通じてそれを2人で解きほぐしていく。

 

内側を見る

他人の家ばかり覗き見て、自分のことは見ようとしないジェフ。

終盤、常に窓の外を見ている彼が、自身の内側を見つめざるを得なくなる。

人物やカメラの位置でそれを表現する演出の鮮やかさ。とても映画的。

 

まとめ

本当に良くできた、サスペンス映画の教科書のような作品。

丁寧に描かれた人間ドラマとユーモア溢れる会話。

文字通り宙吊りの状態が延々と持続し、やきもきさせられるサスペンス。

そして、切れ味の良いラスト。後味もスッキリ。

 

ウェルメイドな完成度の高い1品。未見の方は是非ご覧いただきたい。

 

 

 

 

にしても、どいつもこいつも窓開けてんな!

 

めまい (字幕版)

めまい (字幕版)